最新の研究から、外来の皆さまに役立つ知見を簡潔にご紹介します。
(新着論文)マインドフルネスと喪失への適応:系統的レビュー
原題: Mindfulness in Adaptation to Bereavement: A Systematic Review.
Sun X, Schroevers MJ, Lessing MO, Karsten J, Eisma MC / Clinical psychology & psychotherapy / 2025 / DOI / PubMed
抄訳:
喪失体験は、重度で持続的な悲嘆、すなわち持続的悲嘆を含む精神的健康問題を引き起こす可能性があります。持続的悲嘆に対する第一選択は認知行動療法ですが、すべてのクライアントに効果があるわけではありません。そこで、マインドフルネスを用いた介入が代替療法として提案されています。本研究では、マインドフルネスが喪失に対する心理的適応にどのように寄与するかを包括的にレビューしました。PsycINFO、Web of Science、PubMedを用いて、持続的悲嘆や二次的な精神的健康問題(例:うつ病、心的外傷後ストレス症状)との関連を調査した観察研究および介入研究を特定しました。13件の研究(2097名の参加者)が選ばれ、研究の質はさまざまでした。横断的および縦断的調査は、自己報告によるマインドフルネスと持続的悲嘆および二次的精神的健康問題のレベルとの有意な関連を一貫して示しました。介入研究は主に二次的精神的健康問題に焦点を当てており、持続的悲嘆症状に対する結果は混在していました。全体として、マインドフルネスは喪失後の精神的健康問題の改善に有望であることが示唆されましたが、さらなる研究が必要です。
一言: 喪失体験は精神的健康問題を引き起こすことがあります。認知行動療法が第一選択ですが、すべての人に効果があるわけではありません。マインドフルネスは代替療法として提案されており、その有効性を検討するために系統的レビューが行われました。
確かさ(GRADE): 中等度
理由: 研究の質がさまざまであり、結果に一貫性がないため、確信度は中程度です。特に持続的悲嘆に対する効果は混在しています。
研究の信頼性(ROBINS-I(非ランダム化研究)): やや懸念
- 交絡: やや懸念
- 参加者の選び方: 低い(大きな問題なし)
- 介入の分類: 低い(大きな問題なし)
- 予定した介入からのずれ: やや懸念
- 欠測(全般): 低い(大きな問題なし)
- アウトカム測定: やや懸念
- 報告された結果の選び方: やや懸念
解説: この研究は観察研究が多く含まれており、介入の効果を確定するには限界があります。結果の一貫性がないため、慎重に解釈する必要があります。
臨床メモ(活用点・注意点・外的妥当性・日本の臨床との整合)
マインドフルネスは喪失後の精神的健康問題の改善に有望な手法として注目されていますが、持続的悲嘆に対する効果はまだ明確ではありません。日本の臨床現場での適用には、個々の患者の状況に応じた慎重な評価が必要です。特に、認知行動療法が効果を示さない場合の代替療法として検討されることが考えられますが、現時点では補完的な手法として位置づけるのが適切です。今後の研究で、特にランダム化比較試験や長期的な縦断研究が行われることで、より明確なエビデンスが得られることが期待されます。また、マインドフルネスの実施には専門的な指導が必要であり、適切なトレーニングを受けた専門家による介入が推奨されます。患者の個別性を考慮し、他の治療法との併用も視野に入れるべきです。
(FAQ)
Q. マインドフルネスはどのように精神的健康に影響を与えますか?
A. マインドフルネスは、現在の瞬間に意識を集中させることで、ストレスや不安を軽減し、精神的健康を改善することができます。ガイドラインでは、うつ病や不安障害の補完的治療法として推奨されています。ただし、効果は個人差があり、専門家の指導の下で行うことが重要です。症状が重い場合は、医療機関での相談が推奨されます。
Q. 持続する悲嘆に対する治療法は何がありますか?
A. 通常より長期間持続する悲嘆には、認知行動療法が第一選択として推奨されています。これは、悲嘆のプロセスを理解し、適応的な思考や行動を促進することを目的としています。効果が見られない場合は、他の心理療法や薬物療法が考慮されることがあります。症状が続く場合は、専門医の診断と治療が必要です。
本記事は一般情報であり、個別の診断・治療を置き換えるものではありません。
精神保健指定医 児玉啓輔(監修者プロフィール)
患者さんへのメッセージ
不安や悩みを抱えている方は開院後お気軽にご相談ください。当院スタッフが丁寧にサポートいたします。