最新の研究から、外来の皆さまに役立つ知見を簡潔にご紹介します。
(新着論文)健康な個人におけるカフェイン摂取と不安行動の関連性
原題: The Effects of Caffeine on Anxiety Behavior in Healthy Individuals: A Systematic Review of the Literature.
Nascimento AOD, Silva CECD, Silva MLD, Cunha KDC / Stress and health : journal of the International Society for the Investigation of Stress / 2026 / DOI / PubMed
抄訳:
この研究は、健康な個人におけるカフェイン摂取と不安行動の関連性を評価することを目的とした系統的レビューです。2021年3月に、Cochrane Library、MEDLINE via PUBMED、LILACS via VHL、APA PsycNet、EMBASE、Scielo、Scopus、Web Of Science、Cinahlのデータベースを用いて高感度の電子検索を行いました。言語や時期の制限は設けず、PRISMAプロトコルに基づき6999件の研究を検索し、6972件を除外、最終的に27件の研究を分析対象としました。ROB-IIツールを用いてバイアスのリスクと証拠の質を評価しました。結果、カフェインは用量依存的に不安を増加させることが示唆され、カフェイン摂取の習慣が少ない人と多い人の間でも効果に差が見られました。また、カフェインによる不眠が不安の増加に寄与している可能性も示されました。全体として、カフェインは不安症状の増加と関連していることが示唆されました。
一言: この系統的レビューは、健康な個人におけるカフェイン摂取と不安行動の関連性を評価しました。27の研究を分析した結果、カフェインは用量依存的に不安を増加させる可能性が示唆されました。特に、カフェインによる不眠が不安の増加に寄与している可能性があります。
確かさ(GRADE): 中等度
理由: この研究は多くの研究を含んでいますが、個人差やカフェイン摂取習慣の影響があるため、結果の一般化には注意が必要です。
臨床メモ(活用点・注意点・外的妥当性・日本の臨床との整合)
この研究は、カフェインが不安行動に与える影響を評価したもので、特に用量依存的な不安増加の可能性を示しています。臨床的には、カフェイン摂取が不安症状を悪化させる可能性があるため、不安症状を持つ患者にはカフェイン摂取を控えるよう指導することが考えられます。ただし、個人差が大きく、カフェイン摂取習慣が影響を与えるため、患者ごとに適切なアプローチが必要です。また、日本の臨床現場では、カフェイン摂取が一般的であるため、患者の生活習慣を考慮した指導が重要です。カフェインによる不眠が不安を増加させる可能性もあるため、睡眠の質についても注意を払う必要があります。
(FAQ)
Q. カフェインは不安を引き起こすのですか?
A. カフェインは一部の人に不安を引き起こす可能性があります。特に高用量のカフェイン摂取は不安を増加させることが知られています。そのためカフェイン摂取量を適度に保つことが推奨されています。個人差があるため、不安を感じる場合はカフェイン摂取を控えることを考慮してください。症状が続く場合は医師に相談しましょう。
Q. カフェインによる不眠はどのように対処すればよいですか?
A. カフェインによる不眠を防ぐためには、カフェイン摂取を控えることが有効です。特に午後以降の摂取を避けることが推奨されます。日本の睡眠ガイドラインでは、睡眠の質を保つためにカフェインの摂取量を調整することが勧められています。睡眠障害が続く場合は、専門医に相談することをお勧めします。
本記事は一般情報であり、個別の診断・治療を置き換えるものではありません。
精神保健指定医 児玉啓輔(監修者プロフィール)
患者さんへのメッセージ
不安や悩みを抱えている方は開院後お気軽にご相談ください。当院スタッフが丁寧にサポートいたします。