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(新着論文)SNS依存と抑うつ、不安、ストレスの関連性に関するメタ解析

原題: The Relationship Between Social Media Addiction, Depression, Stress, and Anxiety: A Meta-Analysis.
Dadiotis A, Malliari K, Critselis E, Bacopoulou F, Vlachakis D, Chrousos G, Darviri C / Advances in experimental medicine and biology / 2026 / DOI / PubMed

抄訳:
このメタ解析の目的は、SNS依存(PSNSU)と抑うつ、不安、ストレスとの関連性を最新のデータを用いて要約することです。2016年3月から2022年1月までの間にPubMed/MedlineとScopusを検索し、SNS依存と抑うつ、不安、ストレスの関係を評価した研究を収集しました。38件の研究(合計参加者数29,944人、女性63.1%、平均年齢21.8歳、範囲10.4-50.1歳)が対象となりました。ランダム効果メタ解析の結果、SNS依存と抑うつ(r = 0.30)、ストレス(r = 0.29)、不安(r = 0.30)の間に正の相関が確認されました。サブグループ分析では、西洋諸国(ヨーロッパと北米)での関連性がアジア諸国よりも有意に大きいことが示されました。また、メタ回帰分析により、女性の割合が高いサンプルでは抑うつとの関連が弱いことが示されました(β = -0.32, p = 0.006)。今後の研究では、PSNSUと精神症状の因果関係を確立するために縦断的デザインが必要であり、予防戦略やランダム化対照試験も考慮すべきです。

PECO:

  • P(対象): SNS依存を示す個人(平均年齢21.8歳、女性63.1%)
  • E(暴露): SNS依存の程度(PSNSU)
  • C(比較): SNS依存がない、または低い個人
  • O(結果): 抑うつ、不安、ストレスの程度

一言: このメタ解析は、SNS依存と抑うつ、不安、ストレスの関連性を調査しました。38件の研究を分析し、SNS依存がこれらの精神的健康問題と正の相関を持つことを確認しました。特に西洋諸国での関連性が強く、今後の研究では縦断的デザインが必要です。

確かさ(GRADE): 中等度
理由: このメタ解析は多くの研究を基にしており、結果は一貫していますが、因果関係を確立するための縦断的研究が不足しています。また、文化的要因が結果に影響を与える可能性があります。

臨床メモ(活用点・注意点・外的妥当性・日本の臨床との整合)

このメタ解析は、SNS依存が抑うつ、不安、ストレスと関連していることを示しています。特に西洋諸国での関連性が強く、文化的要因が影響を与える可能性があります。日本の臨床現場では、SNS依存が精神的健康に与える影響を考慮し、患者の背景や文化的要因を踏まえたアプローチが重要です。また、SNS依存の程度を評価し、必要に応じて心理教育やカウンセリングを行うことが推奨されます。今後の研究では、SNS依存と精神症状の因果関係を明らかにするための縦断的研究が必要です。これにより、予防戦略や介入方法の開発が進むことが期待されます。

(FAQ)

Q. SNS依存はどのようにして精神的健康に影響を与えるのですか?
A. SNS依存は、過度の使用が日常生活に支障をきたし、抑うつや不安を引き起こす可能性があります。SNSの使用時間を制限し、バランスの取れた生活を心がけることが推奨されています。SNS依存が疑われる場合は、専門家に相談することが重要です。

Q. SNS依存を防ぐためにはどうすればよいですか?
A. SNS依存を防ぐためには、使用時間を制限し、リアルな人間関係を重視することが重要です。日本の健康ガイドラインでは、SNSの使用を1日2時間以内に抑えることが推奨されています。また、定期的にデジタルデトックスを行い、心身の健康を保つことが大切です。


本記事は一般情報であり、個別の診断・治療を置き換えるものではありません。
精神保健指定医 児玉啓輔(監修者プロフィール

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参考リンク・関連資料