診療案内

当クリニックでは、多様なこころの症状や疾患に対応しています。ここでは代表的な疾患や症状について概要と治療の目安を説明します。情報は一般的なものであり、診断や治療は個別の状況に応じて医師が行います。症状に心当たりがある方は、専門医の診察を受けることをお勧めします。

うつ病・適応障害

気分の落ち込みや意欲の低下が長期間続き、日常生活に支障をきたす状態を指します。適応障害は環境変化によるストレスが主な原因で、一時的に抑うつや不安が強まる状態です。

主な症状:気分の低下、興味・喜びの喪失、疲れやすさ、睡眠や食欲の変化、自責感や希死念慮など。

治療の目安:薬物療法(抗うつ薬や睡眠薬など)、認知行動療法や心理療法、生活習慣の改善などが有効とされています。個々の症状に合わせて治療を組み合わせます。

※症状の程度や経過には個人差があり、治療による効果や期間も異なります。

不安障害・パニック障害

過剰な不安や恐怖によって日常生活が困難となる状態です。パニック障害は突然の激しい動悸や呼吸困難感を伴う発作が繰り返されます。

主な症状:理由のない不安、過度の心配、動悸や発汗、パニック発作、予期不安、回避行動など。

治療の目安:抗不安薬や抗うつ薬による薬物療法、認知行動療法などの心理療法が効果的とされています。発作時の対処法やセルフケアもお伝えします。

※薬の効果や副作用には個人差がありますので、医師とご相談の上で適切な治療を進めます。

睡眠障害

入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、日中の眠気など、睡眠に関するさまざまな問題を指します。原因はストレス、生活習慣、身体疾患など多岐にわたります。

主な症状:寝付きが悪い、夜中に目が覚める、眠りが浅い、起きても疲れが取れない、日中の眠気など。

治療の目安:薬物療法(睡眠薬など)は短期的な利用が中心で、睡眠衛生指導や認知行動療法など非薬物療法も併用します。生活リズムの見直しが重要です。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

命に関わるような事故や災害、暴力などの強烈な体験が原因となり、その後も強い恐怖やフラッシュバックに悩まされる状態です。

主な症状:悪夢や再体験、回避行動、過覚醒、感情の麻痺など。

治療の目安:トラウマに焦点を当てた心理療法(EMDR、トラウマフォーカスト認知行動療法など)や薬物療法が検討されます。治療は慎重かつ段階的に行われます。

職場のストレス・バーンアウト

長時間労働、人間関係の負担、達成感の欠如などによる慢性的な疲弊や消耗状態を指します。放置すると、うつ病や心身の不調につながることがあります。

主な症状:常に疲れている、モチベーションの低下、集中力の低下、睡眠障害、身体的な不調など。

治療の目安:休養や環境調整が重要で、必要に応じてカウンセリングや薬物療法を行います。復職支援プログラムもご用意しています。

双極性障害

気分が高揚する躁状態と落ち込むうつ状態が周期的に現れる疾患です。

主な症状:気分の波、睡眠の変化、活動性の増加や減少、判断力の低下など。

治療の目安:気分安定薬や抗精神病薬による薬物療法に加え、心理教育や生活リズムの調整が必要です。

認知症

記憶や認知機能が低下し、日常生活に支障を来す状態です。アルツハイマー型認知症や血管性認知症などが含まれます。

主な症状:物忘れ、判断力低下、見当識障害、性格変化など。

治療の目安:進行を遅らせる薬物療法やリハビリテーション、家族支援が重要です。

強迫性障害

強迫観念と、それを打ち消すための強迫行為が繰り返される疾患です。

主な症状:過剰な確認、手洗いの繰り返し、数字や順序へのこだわりなど。

治療の目安:選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの薬物療法と、曝露反応妨害法などの認知行動療法が有効です。

発達障害

発達障害は、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)など神経発達症の総称で、幼少期からみられる生まれつきの特性によって日常生活や対人関係に困難を感じやすい状態を指します。

主な症状:社会的コミュニケーションの難しさ、興味や行動の偏り、こだわり、注意散漫や多動衝動性、計画力や時間感覚の弱さなど。

治療の目安:特性に応じた心理社会的支援や環境調整、ソーシャルスキルトレーニングや認知行動療法を行い、必要に応じてADHD症状に対する薬物療法(例えばメチルフェニデートやアトモキセチン)を組み合わせます。本人と家族への教育とサポートが重要です。

セルフケアと予防

こころの不調に対する治療だけでなく、日々のセルフケアや予防も大切です。規則正しい生活、適度な運動、ストレスマネジメント、十分な睡眠などを心掛けましょう。当クリニックでは、生活習慣の指導やセルフケアのサポートも行います。